次期首相有力候補がコロナ対応で挫折

中国が過渡期を迎えている。中国国家統計局の2022年4月18日の発表によると、2022年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は前年同期比4.8%となった。経済成長の鈍化だけでなく、あらゆる意味で中国は一つの時代が終わりそうだ。

習近平国家主席
習近平国家主席。(新華社/アフロ=写真)

原因の一つは、習近平シー・ジンピンがプーチン化してきたことだ。習近平は2期10年の任期制限を撤廃し、2023年以降も国家主席を続ける予定だ。任期制限を設けた鄧小平トン・シャオピンが生きていれば怒っただろう。

一方、習近平の就任時から首相(国務院総理)を務めてきた李克強リー・クォーチャンは、任期が延長されない。クビになったようなものだ。2022年秋の党大会で習近平の3期目が決まるとして、次の首相は誰になるかと注目される。

3期目に入る習近平にとって、伴走者の首相は重要だ。例えば、江沢民ジアン・ズォーミンが国家主席の時代に首相だった朱鎔基ヂュー・ロンチーぐらい優秀な人物を求めているだろう。朱鎔基は中国人民銀行(中央銀行)のトップを務めた天才的なバンカーで、経済政策で手腕を発揮した。また「100年に一度の政治家」と言われ、国民の信頼も厚かった。