ABCD包囲網での団結
現在、欧米諸国や日本は厳しい経済制裁をロシアに科している。「それは兵器生産に打撃を与える上では有効に働いているが、他方で、ロシア側のシナリオに合致している側面もある」と池田准教授は言い、こう続ける。
「われわれは外部から攻められている被害者、だから頑張らなければならない、と」
それはかつて日本が“ABCD”包囲網、つまり米英中蘭の4カ国によって経済封鎖されていたときの状況とも重なって見えると池田准教授は指摘する。
「もともとロシアには豊かさを享受している人が少ない。むしろ、日ごろからつらいことに慣れている人たちですから、経済制裁で生活が苦しくなっても耐えてしまう。子どもが兵隊にとられ、戦場で亡くなるとか、理不尽なことが積み重なっても全国民的な反発はなかなか湧き起こらないでしょう。一方、ウクライナや欧米諸国はロシアの侵略を到底許すことはできない。この戦争はどう終わるのか、ほんとうに先が見えません」
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)
当記事は「AERA dot.」からの転載記事です。AERA dot.は『AERA』『週刊朝日』に掲載された話題を、分かりやすくまとめた記事をメインコンテンツにしています。元記事はこちら