外見で人を判断する“ルッキズム”が一部で問題視されている。そうはいっても、自分の見た目に悩んでいる日本人は少なくないだろう。今回は自分の容姿を受け入れる方法を、精神科医が解説する。「プレジデント」(2022年3月4日号)の特集「精神科、心療内科のウラ側」より、記事の一部をお届けします──。
木製のダミーは鏡の中でその反射を見ます
写真=iStock.com/Olga Chetvergova
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外見上のささいな欠点にこだわる「醜形(身体)恐怖症」は思春期に特有のものと思われがちだが、外見イコール生産性と見なされる現代では、中高年期でも形を変えた醜形恐怖に陥ることがある。精神科医のシロクマ先生こと熊代亨氏に話を聞いた。

醜形恐怖症は美男、美女に多い

「外見の美しさ」は、生物としての生殖能力を反映した判断基準として本能に刷り込まれています。肌のツヤは若くて健康なサインですし、男らしい、女らしい体形や平均に近い左右対称の容貌は、子孫繁栄を暗示しています。

しかも現代は「外見」がよい人間ほどコミュニケーション能力や経済活動における生産性が高いと見なされがちです。

数年前に『美貌格差─生まれつき不平等の経済学』(ダニエル・S・ハマーメッシュ著、東洋経済新報社)という本が話題になりましたが、そのなかで、見た目の印象がいい「モテ男」「モテ女」は、「非モテ」より生涯年収が高いという調査結果が報告されていました。

「プレジデント」(2022年3月4日号)の特集「精神科、心療内科のウラ側」では、ストレスフルな現代社会を生きるビジネスパーソンの「メンタルケア」をテーマに取り上げています。医師が教える「頼れる精神科医、危ない精神科医」の見分け方や、働く世代1000人と患者400人に聞いた「メンタル治療の満足度」ホンネ調査、「自己肯定感を高める『7つの習慣』」など、心のストレスが減り、仕事の活力につながる情報が満載です。