ピンポン玉サイズの「超超小型衛星」でもOK

いま世界の富豪が、千や万単位の膨大な数の小型衛星を打ち上げる「小型衛星コンステレーション」というビジネスに相次いで参入している。

2022年の宇宙開発は、7日、イーロン・マスク氏が率いる米スペースXが小型衛星49基を一気に打ち上げるところから始まった。これまでも一度に最大60基の小型衛星を発射しており、19日にも49基を打ち上げた。事業開始から3年ほどで打ち上げ総数は2000基を超えた。そのすべてが機能しているわけではないが、すごい数と打ち上げペースだ。しかしマスク氏は満足しない。目標は1万2000基、長期的には最大4万2000基を想定しているという。

2021年8月13日、ドイツ・グリュンハイデにあるテスラのギガファクトリーの建設現場を視察するテスラのイーロン・マスクCEO
写真=EPA/時事通信フォト
2021年8月13日、ドイツ・グリュンハイデにあるテスラのギガファクトリーの建設現場を視察するテスラのイーロン・マスクCEO

アマゾン創業者で昨年夏に、自身が保有する企業の宇宙船で約10分の宇宙旅行を体験したジェフ・ベゾス氏も、3000基以上の小型衛星の計画を進めている。

実業家の堀江貴文さんが出資するロケットベンチャー「インターステラテクノロジズ」の子会社「アワースターズ」(社長・堀江氏)は、小型衛星よりも小さいピンポン玉サイズの「超超小型衛星」数千基や、超小型衛星の打ち上げを目指している。東京・江東区のベンチャー「シンスペクティブ」は小型衛星を23年までに6基、20年代後半には30基を目標にしている。東大発ベンチャー「アクセルスペース」も超小型衛星の打ち上げを進めている。

なぜこんなにたくさん打ち上げるのか?

日本のベンチャーの衛星計画はまだ小規模だが、海外の勢いはすごい。米国のベンチャー「プラネット」はすでに約200基近くの小型衛星を打ち上げ、カナダのベンチャー「ケプラー」は約11万5000基の計画を持つ。ほかにも多数のベンチャー企業が取り組んでいる。中国も取り組みを開始し、1万基超の計画を持つと言われている。アフリカのルワンダ政府は、約33万基という信じられない数の計画を持つ。