新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、「まん延防止等重点措置」が各地に適用された。医師の大和田潔氏は「新規感染者を抑えるために人々の暮らしを犠牲にするのは本末転倒だ。コロナ専門家は再び失敗を繰り返すことになる」という――。
夜の都市をマスク着用で歩く女性
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コロナ専門家が作り出してきた恐怖から離れるべき

政府は関東や東海など16都県に「まん延防止等重点措置」を発出しました。25日には北海道や大阪、京都、兵庫の関西3府県など計18道府県を加える見込みです。

飲食店の時短営業や「人数制限」を求め、暮らしや経済が再び傷つけられ始めました。WHOが渡航規制を「オミクロン株では実施する価値がなく、経済的・社会的な負担を各国に強いる」を理由に撤廃したにもかかわらずです(注1)

専門家が中心になって日本で行われてきた「自粛」と「ワクチン接種」に偏ったコロナ対策のマネジメント失敗が、オミクロン株によって繰り返され、改めて鮮明になりました。

失敗の原因は明確です。一つは新規PCR陽性者数(感染者数)に拘泥し、新型コロナが弱毒・常在ウイルス化したにもかかわらず、対策の基本的な内容を見直すことを怠ったためです。

揚げ句の果てに2類のまま「若者は検査せずに診断」と専門家が対策を放棄し始めたため現場は迷走しカオス状態に陥っています。防護服は必要なんでしょうか。若者って何才まででしょうか。ふんわりしています(注2)

実際、「重点措置」の効果に対して自治体のトップからはその効果を疑問視する声が上がり判断が二分されています。奈良県の荒井正吾知事は「まん延防止等重点措置や緊急事態宣言は効果がない」と明確に表明し重点措置を要請しませんでした(注3)

すでに重点措置を実施している地方では人流抑制による経済的損失が増大していますので(注4)、市民生活を守るために現状を冷静に観察すれば当然導かれる判断です。感染拡大の恐怖に支配される中でもなされた、県民を守る勇気のある適切な発言だと言えるでしょう。

私たちと新型コロナの付き合いは2年以上になり、幸い当初からエボラ並みの致死性の高いウイルスではなく、昨年からさらに弱毒化して常在ウイルスに変化してきたことが観察されています。

にもかかわらず感染者が増えるたびに発出される緊急事態宣言や重点措置で、私たちは暮らしや経済が壊される危険性を実感してきました。本来はコロナ専門家がそのことを明晰に分析して社会不安を収束させるべきなのですが、日本では私たち自身が終了させないと生活や仕事など暮らしを自滅させることになりかねない状況です。