2022年寅年景気はどうなるのか。オミクロン株感染拡大が懸念されているが、企業の業績や株価は……獨協大学教授で経済アナリストの森永卓郎氏に聞いた。

「今年は、ひどいことになりそう。一歩間違えたら世界恐慌になると思いますよ」

獨協大学教授で経済アナリストの森永卓郎氏
獨協大学教授で経済アナリストの森永卓郎氏(写真=AERA dot. 編集部提供)

年始早々、ガツンと目の覚めるような答えが返ってきた。

まずは株価。コロナ禍も3年目。悪い時期は過ぎ、徐々に企業の業績は回復していくのではないか。

「いえ、今年の株価は、大暴落すると見ています。約1年後の年末の日経平均株価は1万5000円くらいになっている可能性があります」

東京証券取引所では、年始最初の「大発会」(1月4日)が開かれ、日経平均株価(終値)は510円値上がりし、2万9301円と好スタートを切った。4年ぶりの年初の値上がり。しかしその後、続落……。連休前は2万8478円で終えた。

とはいえ、証券会社のアナリストの予想は今年も値上がりを予想するものも多い。そのことについて、森永教授はこう明かす。

「株式マーケット関連の仕事をしている金融アナリストは商売上、悪いことを言えないんですよ。彼らから本音ベースで話を聞くと、今年5月か6月以降は株価が下落すると見ている人が圧倒的に多いですね。みんな、高所恐怖症になってることは事実。だから、いったん下げのトレンドが生まれたら、加速度的に下がっていくと思います」

鍵を握るのが米国の株価。森永教授によれば、アメリカの株価が大暴落間近という状態なのだという。

「現在、アメリカの株価は明らかにバブルなんですよ。“シラーPER”という株価の割高・割安感を判断する指標では、その値が25倍を超えると、バブル水準なんですね」

シラーPERとは、ノーベル経済賞を受賞したロバート・シラー教授らが生み出した指標で、「株価÷インフレ調整済みの過去10年間の1株当たり純利益の平均値」で計算される。過去10年の平均値を用いることから、その値が高いということは長期的にみて割高感がある、つまり過熱感を意味する。