次に、「決算対象物件」はどうか?

「たしかに、その期の売り上げを上げるために、多少の値引きをしても売るといった決算対策がなされることがありますが、表立って値引きすることはありません」(坂根氏)

「スーモマガジン」編集長の池本洋一氏は「決算対策が必要な会社なら価格を下げて販売するかもしれませんが、そうした会社が少なくなっているので、2009年ほどの状況ではないでしょう」と対象物件の減少を指摘。

それでも、業績によって決算対策が必要な事業者や、長く売れ残っている物件などで、値引きの可能性も考えられる。そこで、販売経験もある平賀氏に、営業マンと上手に値引き交渉をするコツを聞いた。

「営業マンが値引きを持ちかけることはないでしょう。値引きの稟議を回して決裁を受ける必要がありますから、確実に購入してもらわないと困るわけです。だから、買う気があることを伝えること。各営業マンに値引き予算が割り当てられている場合もあります。営業マンにもこの人のために使ってあげたいという情がありますから、コミュニケーションを密にして信頼関係を築いておくことも大事です」

また、事業者の決算時期に合わせて、3月末に竣工する物件は多い。そのため、「建設会社が多忙になる時期なので、見方を変えると、手抜きが生じる危険性もなきにしもあらずです」(平賀氏)ということなので、注意が必要だ。

※すべて雑誌掲載当時