海外ハッカーからの密告が狙いか

米国務省の声明は、「悪質なハッカーを取り締まり、サイバーセキュリティーを強化する。懸賞金はその一環だ」と説明。ダークサイドについて、「ロシアに拠点を置く数多くのサイバー犯罪集団の一つ」と断定した。

ハッカーの部屋
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ダークサイドの一部はロシア国外で活動している模様で、米政府は海外のハッカーが懸賞金目当てに仲間を密告するのを狙っているようだ。

声明はさらに、ロシア政府の支援を受けて大規模な活動を行うハッカー集団として、「Cozy Bear」を挙げ、ワシントンの米司法省や弁護士事務所が被害を受けたと伝えた。

司法省のモナコ副長官は「バイデン大統領がロシアに警告したにもかかわらず、サイバー攻撃は絶え間なく続いている」と述べた。

プーチン大統領に抗議すると姿を消した

「バイデン大統領の警告」は、6月16日にジュネーブで行われた米露首脳会談で行われた。バイデン大統領は席上、「ロシアがサイバー攻撃で絶対に手出ししてはならない重要インフラ」として、エネルギー、医療、情報技術、金融、化学、通信など16分野を挙げた。

会談後の個別会見で、バイデン氏は「ロシアがサイバー攻撃でパイプラインの被害に遭ったらどう思うか、彼にただした。米国には顕著なサイバー能力があることを警告した。攻撃があれば、報復する」と述べていた。

プーチン大統領は「サイバー攻撃で最も多いのは米国からで、ロシアがトップではない。この問題で米露協議を開始する」と答えた。米側の剣幕に一歩引いた形だった。

しかし、首脳会談の2週間後、ロシアに拠点を置く別のハッカー集団「REvil」が米国のソフト管理会社をハッキングし、顧客数百社に損害を与えた。バイデン氏がプーチン大統領に電話で抗議すると、「REvil」は姿を消した。その後もサイバー攻撃はやまず、バイデン氏は今回、CIA長官を派遣した。