家族でふらっとあらかわ遊園を訪ねて観覧車に乗ったときは、眼下に河川敷が広がって、キレイな景色に盛り上がったことがありました。その観覧車が小さくて、たとえ数分で戻ったとしても、「乗った」という事実が貴重なわけです。その意味では、大きめの公園で遊ぶのだっていいでしょう。地元の大きなお兄ちゃんともめて、社会のルールを学ぶのもいい経験になりますし。

それと外出する際は、何も決めずに出かけるべきでしょうね。段取りを細かく決めてしまうと、想定外の事態になったとき、「本当はこうなったほうが楽しかったのに……」と思って、途端につまらなくなる。それよりも家族で「私はお寿司食べたい」「僕は肉が食べたい」と意見が割れて多数決をしたり、そこで肉を食べれなかった家族がいじけるのを見たりするのが面白かったりするんです。

そういえば家族でとしまえんに行ったとき、ちょうどコスプレのイベントを開催していたことがありました。あちこちにヒーローがうろついているもんだから、子供は大喜び。無料で仮面ライダーショーを見れたようで、得した気分になりましたね。そういうハプニングも、何も決めずに出かけたから起きたこと。大げさなサプライズを用意したり、過剰に頑張ったりしたら疲れますよ。

家族サービスをストレスに感じるときは、「子供が成長したら一緒に出かけなくなる。こんなことができるのも今のうちだな」と思うと苦になりません。その気分の延長で結果的に家族サービスになっているのが、家族全員にとっていいんじゃないでしょうか。

※すべて雑誌掲載当時

(鈴木 工=構成 川本聖哉=撮影)