住宅ローン返済額は毎月17万円

……と、ここまでの暮らしぶりでなぜ柴田家の貯金が200万円なのか、もうおわかりでしょう。「だって稼いでるから」という高給取り意識により、ワンランク上のセレクトが積み重なった結果、貯金ができないほど支出が膨れ上がっているためです。

柴田さんは年俸制のため、月にすると手取りは約50万円。都心部の高級マンションですので、毎月のローンの返済額は約17万円。食費も10万円と高額です。お子さんの習い事にはまだ月2、3万くらいしかかかっていないそうですが、中学受験のために塾に通い出せば、あっという間に立ち行かなくなるでしょう。

稼ぎ手は夫だけ、お金の使い道を取捨選択していない

柴田さんと同じように高給取り意識を持つ年収800万円前後のご家庭には、驚くほど共通点が多く見受けられます。まず、妻が専業主婦であるか、働いていてもパートタイマーであること。

教育にお金をかけたいと思う方が多いこともあり、平日は習い事への送り迎えが必須。夫婦共に正社員で働き、夫も妻も800万円稼いでいるようなバリキャリ同士のご家庭は、送り迎えを完全にアウトソーシング化しているケースが多いですが、夫だけが稼ぎ手として800万円近い収入を得ているご家庭は、妻が一手に子どもの習い事をフォローする。

プール
写真=iStock.com/flyingv43
※写真はイメージです

そうなれば当然、女性側がフルタイムで働くことは難しく、自然と月3~5万円程度のパートタイムジョブになります(しかもこのお金の大半が妻のランチ代やお小遣いに消えてしまい、またしても貯蓄には回らないという……)。

次のあるあるは、高給取り意識はあるにもかかわらず、自分たちが毎月どの費目にいくら使っているかをまったく把握していないということ。

たとえば子どもの塾代ひとつとっても、塾に言われるがままなんでもかんでもやってしまう。算数と国語はわかるとしても、本当に「理科実験教室」が必要か。夏期講習は絶対に通わせなければいけないのか。一度立ち止まって子どもの学力や方向性を見極めながら取捨選択する作業が足りていないように見えます。