「新統合戦略」で柔軟な契約体制に

──業界をリードしていく日本生命としての取り組みもお聞かせください。

12年から本格稼働予定の「新統合戦略」が、いよいよ大詰めを迎えています。この計画には、お客様の利便性を高めると同時に、会社の生産性を上げていくという狙いが込められています。

これまでは主契約に特約を付加するという複雑な構造でしたが、商品を単品化することにより、お客様のニーズに応じて柔軟にご提供できるようにします。お客様とのやりとりも、新しい携帯端末を導入することでペーパーレス化し、お客様の面前で画面を見ながらコンサルティングができる体制を整えます。システムインフラの改革を機に、一家の大黒柱である世帯主に対してだけではなく、さきほど申し上げたシニア、女性、若年層などあらゆる層に対して、提案の幅を広げていけると期待しています。

──御社は11年7月、ドイツの保険大手アリアンツへの出資を発表しました。今後の海外展開についてのお考えは。

保険会社が海外に出ていく際には大きく2つの考え方があると思います。一つは、海外の保険会社を、買収等により連結化して企業価値を高めるという考え方。これはどちらかというと株式会社的です。一方、海外投資に高いリターンを期待できるなら、そこから収益を得てご契約者に還元するという考え方もある。私どもは相互会社なので、後者の考え方でやっています。

方法としては、とにかく買収というのではなく、海外の強い金融機関や保険会社と信頼関係を築き、できれば資本関係を構築し、業務のつながりをもって双方にシナジーが出る形で関係づくりをしていきます。これまで米国のプルデンシャル、インドのリライアンスなどの強力なパートナーと提携してきましたが、今回のアリアンツもその一環。今後もこうした海外展開を通じて収益を得て、ご契約者への還元を充実させていきたいと考えています。

※すべて雑誌掲載当時

(村上 敬=インタビュー・構成 澁谷高晴=撮影)