一方で、アメリカのバイデン大統領の発言であれば、世界に対して影響を及ぼすことが多い。昨今の中東問題でも、「菅さんが何を言うか」なんて、海外メディアはほとんど注目していないと思いますが、「バイデンさんがイスラエルとパレスチナの双方にどういうことを言うか」については世界が注目しているし、それによって世界情勢が変化することも多いです。

こういう感じなので、日本語のサイトよりも英語圏のサイトのほうが、結果的には世界の状況について正しい情報を得られる確度が高くなると思います。

あえて「偏ったメディア」もチェックする理由

というようなことを踏まえたうえで、僕はあえて「右向き」といわれる人たちのツイッターなどを意図的にフォローしていたりもします。

それは正しい情報を得ようとしているわけではなくて、たとえば自民党のネット部隊が運営しているのではないかと目されているアカウントが、果たしてどんな情報を上げていて、どういう層がそれを見ているのか、どんなリアクションをしているのか、というようなことを情報として拾っておくためです。

ほかの例も挙げておきます。

2020年の米大統領選のときに、僕は「コロナウイルスへの感染対策を勝因として、バイデンさんが勝つんじゃないか」という予測を立てていたのですが、その際によく見ていたのが米FOXニュースでした。

なぜFOXなのかというと、ほかの多くの米メディアはわりと賢い人が運営していて、民主党候補のバイデンさん推しの人も多く、結果としてバイデンさん推しの報道をしがちだったからです。

「トランプ推し」の報道で見えてきた事実

とくに、CNNなど民主党寄りのメディアの報道は、「こうなってほしい」という「中の人」たちの願望が反映されていて、それがアメリカの真実に合っていないところもあった。それで、4年前の選挙では大半のメディアの予想をひっくり返して、トランプさんが勝ったわけです。

でも、FOXニュースは「ガチ」で共和党のトランプ推しです。なのでバイデンさん側のメディアの報道は話半分に聞いておいて、FOXがどういうことを報じているかを押さえておいたほうがいいなと思っていました。

20年の選挙では、FOXニュースでさえも「トランプ大統領はこんなことを言っているけど、この発言のこの部分はガセ。間違いですよ」と報じていたのを見て、「あ、FOXニュースでもここまで言うということは、さすがにアメリカの人たちもトランプのウソは見抜いているんだな」ということが見えてきました。

「自分が何を知りたいか」ということに合わせて、あえて反対の方向から情報を拾う。正しい情報を得るためには、こういったテクニックもわりと大切なんだと思います。