人材払底の旧郵政人脈

総務省は、旧自治省、旧郵政省、旧総務庁の3省庁が統合して生まれた官庁のため、いまだにあらゆる面で縦割りの構図が色濃く残る。事務次官こそ1人だが次官級の総務審議官が3人おり、4ポストを3省庁で分け合う形が定まってきていた。

ところが、今回の「接待事件」で、旧郵政官僚は主要幹部の辞職や懲戒処分による昇任差し止めが相次ぎ、総務省のトップをうかがう人材の払底が顕著になった。

これを見て、旧自治官僚の黒田武一郎事務次官(1982年旧自治省入省)のもと、旧自治官僚ラインが旧来の枠組みを打破してウイングを広げようと画策したが、旧郵政ラインが必死に抵抗。

結局、従来通り、旧郵政官僚が郵政・通信担当と国際担当の総務審議官2ポストを死守することで落ち着いたという。

企業構造、委任、会社階層
写真=iStock.com/anyaberkut
※写真はイメージです

瓦解した高市前総務相の「ドリームチーム」

とはいえ、年功序列の霞が関にあって、これだけ一挙に同世代のキャリア官僚がいなくなっては、人材の枯渇は否めない。

旧郵政官僚のトップである郵政・通信担当の総務審議官には、竹内芳明総合通信基盤局長(1985年旧郵政省入省)が技官で初めて就任。もう一つの国際担当には、局長経験のない佐々木祐二郵政行政部長(1987年同)が2階級どころか3階級特進で就くという異例の人事となった。

放送行政を担う情報流通行政局は、2月にトップ2人が更迭されて後任に就いたばかりの吉田博史局長(1987年同、内閣広報官を辞職した山田真貴子氏の夫)と藤野克官房審議官(1990年同)のもと、課長ポストは1人を除いて総入れ替えとなった。

2020年夏の人事で、放送改革に意欲を燃やした高市早苗前総務相が旧郵政官僚の主力メンバーを集め、「ドリームチーム」とも呼ばれた布陣は1年ももたずに瓦解してしまったのである。

課長級以上の官僚は懲戒処分を受けると、1年から1年半は昇任できなくなるだけに、「立て直しまでには数年かかることを覚悟しなければならない」と旧郵政官僚がこぼす惨状だ。