今まで隠れていたマネジメント面の課題が、多くの社員の退職という形で噴出したのです。ここで、谷本社長は、経験豊富な社員でなくとも数字を作り上げられる体制づくりを進めるべく一気に舵を切ります。

即戦力となる営業経験者の中途採用が主体だった採用・育成・定着の方針を転換、0から社員を育てる決断をし、新卒採用を積極的に行って育成に注力するようになったのです。

そして、採用・育成・定着のための注力点も徹底して絞り込みます。具体的には、①切磋琢磨しあえる環境の整備、②ペア営業で接客量を上げる、③成長の道筋とゴールを明確化する。この3つです。

ビジネスチームが手を重ねる
写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです

そして、絞り込んだこれらの点に対して、①の環境整備に関しては会社側がツールやマニュアル、研修制度を設ける。②の接客量アップに関しては、先輩営業を新卒営業とペアにさせロープレとOJTを並走させる。③のゴール設定に関しては、月・週・日ベースでの目標進捗管理を徹底するなど、きめ細かく会社を変革させていくのです。

コロナ禍でも業績は前年比約2倍

この判断は正に慧眼で、1年ほどで新卒社員が戦力化。2020年度の新築注文完工棟数は前年の68棟から130棟にアップし、うち新卒1年目が31棟を受注しました。全社売上の約24%を新卒1、2年目が売り上げるまでになりました。

やるべきこと、やったほうが良いことに対して、ポイントをきめ細かく徹底することができる社風こそが、同社の本当の強さなのかもしれません。

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事業計画に基づき、採用・出店計画の実施を行って売上・利益の最大化にチャレンジを続けるウッズカンパニー。副社長が社員の半分を引き連れて独立した際は、倒産の危機にも瀕したことでしょう。こうした危機があっても、岡山にエリアを拡大する、新人を戦力化する体制を整備するなど不屈の取り組みで逆境をはねのけています。

今後の中期の目標は、鳥取県住宅ビルダー圧倒的1位と岡山県でのシェア拡大。ゆくゆくは年商100億円と上場を達成し、鳥取県をより良くしたいと谷本社長は語ります。より高く、より大きな目標実現に向け同社の挑戦は続きます。

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