「集団の常識に従わない」という幸福
私は集団の主張や、集団の思考パターンを素早く察知する人間のようです。どういうことかといえば、自分が何かしら行動したり考えたり感じたりする時はいつも、その理由を慎重に考えるタイプだということです。それは私個人の資質と言うよりも、むしろ社会によってそうさせられているんです。
あまりに慎重なので、外の世界にいる今でも、とても頻繁に「ノー」と言っています。「他人が期待すること」に対して「ノー」と言い、「常識」に「ノー」と言います。それが私がここ、ベルリンに住む理由のひとつでもあります。というのもベルリンは、そうすることが可能な場所として知られた町だからです。嫌ならばただ「ノー」と言えばいい。
件の質問を聞かれれば、その答えは「集団から求められる常識に絶対に従わないこと」。これは、私が去った場所がもたらした結果であり、集団から与えられる圧力の公正さに敏感になったのは、「コミュニティ」にいたからなんです。