誰に会うかターゲットが決まったら次にやることは、アポトークです。次の3つのトークを比べてみましょう。

A.話がしたいので時間をとってほしい
B.○○の件で相談があるので、時間をとってほしい
C.○○について、教えてほしいことがあるので時間をとってほしい

あなたは、どのトークを選びますか。私がお勧めするのはCの「教えて作戦」です。Aの「話がしたい」だけだと、相手は目的がわからず、話をするべきか迷う可能性があります。Bのように、件名を言った上で「相談がある」というトークはAに比べ、目的がはっきりしており、イエスという答えが得やすい点でベターです。ただ、警戒心の強い相手の場合、「何か頼まれるのではないか」と思うこともあります。

一番のお勧めであるCの「教えて」というのは、「教えるだけでいいんだ」という安心感を与えられるだけでなく、相手の自尊心をくすぐるという点で効果的です。「教えてほしい」と言われれば、相手は「自分の知識や技術の価値が認められている」と感じますし、実際に教えることになれば、上からモノが言える快感も得られます。だから、会う前の段階で、相手をある程度、良い気分にさせる「教えて作戦」が有効なのです。

テレワークのできない社員には感謝とねぎらいを

前出のように、アポをとってターゲットになる相手に会うと、思わぬプレゼントがもらえることがあります。それは、「ついでの話」です。相手はあなたと会うことが決まったら、事前に「ついでに、なにか伝えることはなかったっけ」と考えます。そして、「誰かに頼もう」と思っていることの中から、あなた向けの話を探してくれます。

つまり、あなた向けの「宿題」を準備してくれるのです。それは、ビジネスチャンスだったり、新しいプロジェクトのメンバー探しだったりします。これは、アポをとらなくては生み出せない現象です。

『「ニューノーマル」最強仕事術』(講談社ビーシー)
『「ニューノーマル」最強仕事術』(講談社ビーシー)

このように、出社は「ビジネスチャンスをつかむ」「人間関係のメンテナンス」「アイデア作り」という3つの目的のために、アポをとってするのが効果的です。

そして、出社したらもうひとつやりたいことがあります。それは、ずっと出社している人への感謝とねぎらいです。自社の中で、テレワークがしたくても、できない業務を担当している社員がいることがあります。出社したら、そういう人たちに、感謝とねぎらいの言葉をかける。これは、ビジネス上のマナーというより人としてやりたいことです。

出社を「ねばならない」ものから、自分のビジネスを進めるための戦略的なアクションにしていきましょう。

出社とテレワークのバランスについては、『「ニューノーマル」最強仕事術』(講談社ビーシー)にも記載していますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。

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