とにかくノンストップで書いていく

5分間のタイマーを設定して、先ほどの問いを元に思いついたことをどんどん書いていきましょう。「ドラえもんのポケットを持ったら、私はどこでもドアを使って世界中を旅したい。なぜなら~」といったようにです。

太陽の下で楽しいひとときを
写真=iStock.com/AzmanL
※写真はイメージです

思考がストップして何も浮かばなくなってきたら「何も浮かばなくなってきた。頭がぐちゃぐちゃだ」と書いても構いません。急ぐ必要はありませんが手を動かし続けます。誤字、脱字も気にする必要はありません。自分で読み返してわかる状態ならなんでも良いのです。

ライターの土居雅美氏が実際に行ったジャーナリング。
ライターの土居雅美氏が実際に行ったジャーナリング。

タイマーが鳴ったら終了です。2分ほどインターバルを置いてからフィードバックを始めます。書いたものから気になる単語や自分から出てくると思わなかった意外な単語、繰り返し出てきている表現などにマーカーで印をつけていきましょう。

そして、書いたものに対して出てきたワクワクなどの感情を味わいます。十分味わったら、それをもとに箇条書きで感じたことをメモしていきます。ある程度整った文章でも構いません。

この作業によって、自分の本当の気持ちを「客体視」することが可能になります。

繰り返しているうちに「自分」が見えてくる

ジャーナリングは同じテーマで一日に何度もやっても良いですし、間が空いても構いません。ノートに日付を入れておけばあとで読み返したときに「あのころから変化した自分」「逆に今とずっと変わらない自分」の両方に気づくことができます。繰り返しているうちに「自分とはいったい何なんだろう」ということが見えてくるはずです。

また、一度のジャーナリングとフィードバックで出てきた事柄や感情から連想して、新しい問いが生まれることがあります。次のテーマは自然に決まることも多いのです。

例えば、今回、私の談話をまとめてくださったライターの土居さんの場合、フィードバックに「友達に会いたい」とあるので、次は「友達と会えたらどこに行きたい?」という問いでやってみるのもいいでしょう。

私はジャーナリング講座を開いており、受講生に教える機会があります。正月になると「あなたが今、問うべき問いは?」というテーマで書いてもらいます。目標を立てるのが好きではなかったり苦手な人でも、大切にしたいことが見えてきやすいからです。もちろん正月でなくても、思い立ったら試してみてください。

受講生の中には会議や人と会う仕事の前にジャーナリングを行っている人も多くいます。これから仕事で達成したい目標が明確になり、心の準備ができるといいます。

また、仕事中に良くない空気になっても自分を立て直してホールドしていられる効果もあるようです。仕事でなくても、人と接する前に自分のセットアップができるという点ではすべての人に推奨できます。

ジャーナリングをしているうちに自然と新しい問いが生まれてきます。問いを立てる能力はこれからAIと共に仕事をしていく中で必要不可欠な能力と言えます。問いを立てる力は21世紀を生き抜くための大事なリベラルアーツです。まずは5分、試してみませんか?

(構成=土居雅美)
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