「感情的にならない」技術

日々、穏やかに過ごすためには「感情的にならない」技術が必要になってきます。

私なりに、そのためのノウハウをいろいろ持っています。体験的に得たノウハウとしては、たとえばブログにメッセージが来ても、題名を見て、おそらく不愉快なメッセージだとわかったら絶対に開けません。

つまり、私の最大の「感情的にならない」技術は、感情的になりそうなシチュエーションを予期して避けるということです。

「なんだ、そんなことか」といわれるかもしれませんが、いわゆる「すぐ感情的になる人」というのは、それができないのです。無防備に「敵」と出合い、思わず感情的に反応してしまいます。それどころか自分が感情的になっていることにも気づかないようです。

もちろん、感情的になるシチュエーションがそう簡単に避けられないこともあるでしょう。でも、たとえばそういう際に、どう対処すればいいのかを前もって考えておけば、心に余裕も生まれます。あるいはどんなパターンでより悪いシチュエーションになっていくかを知っておくだけで、対処のしようも落ち着いて考えられます。

洞窟から外を見る若い女性
写真=iStock.com/Rasica
※写真はイメージです

感情をコントールする「3つの秘訣」

私は、その秘訣をいくつか見出しました。

1つ目は、「自分がほかの人よりもせっかちである」と自覚することです。自分の性格のかたよりを認めることで、怒りをセーブすることができました。

2つ目は、自分の考えを絶対視せず、ほかの可能性も認めることです。「正しさ」にこだわるのをやめれば、ストレスがなくなります。

3つ目は、結果を重要視することです。結果的に自分の得になればいい。そう思っているので、ときには人に頭を下げるのもいとわないのです。

「感情的になる」というと、いわゆる感情を爆発させるタイプという印象がありますが、精神科医から見て、同じくらい問題になるのが「内向きな感情」や「不安な感情」から抜けられなくて、心の中でモヤモヤしたり、悶々もんもんとしたり、怒りをためるタイプです。また感情が暴走してパニックになる人もいます。

このパニックという言葉には、突然の出来事に対応できなくなって大混乱してしまうというレベルから、精神医学でいうパニック発作のように脈が速くなったり、息が苦しくなったり、ひどいときには意識もなくなってしまうレベルのものまであります。

でも病気のレベルのパニック発作でさえ、「感情的にならない」技術で治せるし、予防はできるのです。

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