多目的トイレという致命的ミス

ヨーロッパのセレブのスキャンダルに慣れているせいか、筆者は渡部さんの不倫がそれほど叩かれるべきものだとは思いません。

ただ個人的に引っかかるものとしては、不倫の場所が多目的トイレであったことです。言うまでもなく多目的トイレは障がい者や小さい子供を連れた親などが使うためのもので、多目的トイレは健常者が性行為におよぶためのものではありません。多目的トイレを必要としている人が、中で性行為が行われているせいで、トイレの外で待たされたり、多目的トイレを使えなかったりする可能性もあることを考えると、やはりこの場所を選ぶことは避けなければなりませんでした。

世間では妻をかばう声が多く、それに異論はありません。しかし多目的トイレで1万円札を渡された女性の気持ちも考えてしまいます。既婚者との不倫は時に女性がつらい思いをすることも多いのです。でもその不倫の恋に終止符を打ち、何年かたってからその恋を振り返る時、「きれいな夜景が見えるすてきなホテル」を思い出せれば、それは切なくもロマンチックな思い出として心の中に残ることでしょう。

しかし渡部さんの場合はどうでしょう。相手の女性も何年か後に、この不倫の恋を思い出す瞬間があるはずです。そんなとき思い出されるのが「きれいな夜景」や「すてきなホテル」ではなく、「トイレ」であることを考えると、なんともいたたまれない気持ちにさせられます。

先述の一部報道の通り、渡部さんの復帰番組となるはずだった大みそかに放送予定の「ガキ使」で、渡部さんの出演の部分がお蔵入りにする方向で進められているのであれば、結局謝罪会見を開いたことは“ダレ得”でもなかったわけです。

渡部さんの会見には200人もの報道陣が集まったといいます。いくらマスクやフェースシールドをしているとはいえ、コロナ禍である今「100分にもわたる囲み取材」という形式をとる必要があったのでしょうか。

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