会話ベタな人は「教えてください」を使ってみる

「ありがとう」と伝えることの価値がわかっても、そもそもどうも会話がうまく続かない、と悩んでいる人は多いですね。

気まずい沈黙が続くのがこわいから、焦ってあれこれ話題を振っても、相手は乗ってこない。共感を示そうと「わかります」「もっともです」と相槌あいづちを打っても、ただ調子を合わせているのを見破られて、かえって相手をしらけさせる……。

そういう「会話ベタ」の人は、「教えてください」と、思いきって聞き役に徹してみてください

会話が自然に続く人は相手を気持ちよくさせて、話をどんどん引き出しています。そのキーワードが「教えてください」なのです。

手書きでThank youと紙に書いている
写真=iStock.com/Kenishirotie
※写真はイメージです

人間は自分のことにいちばん興味がある生き物

人間は自分のことにいちばん興味があるため、自分に備わる知識・経験に相手が関心を示して、「教えて」と言われると、誰でも機嫌がよくなり、とっておきの情報を教えてくれます。

こちらはわがままを捨てて「聴く」ことに集中。すると的確な反応や質問ができるので、相手はさらに喜んで話がはずみます。まさに「話し上手は聞き上手」です。

たとえば、同世代の友人と久々に会い、思い出話のあと仕事の話に移っていったとき。私はこの時間が楽しみで、「その話もっと教えてよ」と、よくせがみます。

どういう仕事でも、その現場にいる人は外部の人間には想像もつかない情報や知識を持っています。でも職場内では当たり前のことだから、話題にもならない。

だから、彼らがなにげなく仕事のことを口にしたとき、私が興味津々で質問すると、「こんな話、おもしろい?」と逆に驚かれます。でも、私にしてみれば「へえー」「そうだったのか!」と新鮮な驚きの連続です。

すると友人たちは上機嫌になって、「こんなことまで話していいのかなあ」「これ誰にも言っちゃダメだよ」と、とっておきの話をいろいろ繰り出してくれる。ものすごく勉強になるのです。