大震災が起き、電気が寸断されれば、電気ポンプで上階まで吸い上げている水道が止まります。そして、高速のエレベーターも動かなくなります。震災時にその中で閉じ込められた場合、非常電源が作動すれば近くの階までいくことはできますが、そうでなければエレベーター管理会社の救出を待たなければなりません。ところが、大地震のときは管理会社も被災しており、駆けつけるのに数日~1週間を要すると予測する専門家さえいます。

デメリットは「管理費が高い」「地震の揺れが大きい」

デメリットは「管理費が高い」「地震の揺れが大きい」

震災の復旧時、自治体などからの救援物資は地上レベル、上階の住人は階段の上り下りをしなくてはなりません。50歳以上には過酷すぎます。

こうしたネガティブな要素もありますが、冒頭で触れたようにプラスな面も多いのがタワーマンション。そこで、50代以上の読者に特におすすめしたいのが、タワーマンションの3~4階の物件です。眺望こそ、上階ほどではありませんが、内装や設備などのクオリティは同じように高く、共有施設も利用可能です。近い将来必ず起きると予測されている震災時にも、階段を使い自力で逃げることができます。

物件の規模や立地などによって金額の差はありますが、低階ほど価格も安い。同じタイプの部屋で階数が1階異なるごとに、おおよそ30万~70万円程度の価格差(「階数価格差」)があります。単純に階数価格差を50万円とした場合、3階の部屋と40階の部屋では販売価格に1850万円(50万円×37階)もの開きが生じることになるのです。

(構成=大塚常好)