「海外で活躍」は実績を検証しにくいのでウソがバレにくい
他にも彼の嘘まみれの経歴がバレなかった理由はあります。
それは、彼がビジネスの拠点を海外に置いていると言い張っていた点です。
国内でビジネスを展開している場合、共通の知人がいたり、商品を見ればどれだけ普及している(普及していない)のかを確かめることができます。
が、香港など海外での収益が大きいと言われれば日本国内で売り上げが少なくても怪しまれることはありません。
他には、学歴についても海外留学をしていたと言われれば簡単にその真偽を確かめることができません。竹花氏はハワイ大学卒と名乗っていましたが、実態は語学学校の短期コースを受けていただけという指摘が現在なされています。
どうやら、日本人はなんとなく「海外で活躍している」という話に弱いのです。
他にも、プレスリリースで自社サービスの売却を発表しているため、事業の実態があると感じてしまう点も挙げられるでしょう。
怪しい経営者はどう見抜くか
では、今後第二、第三の竹花貴騎氏が出てきた場合、どのようにして嘘の経歴を見抜けばよいでしょうか。
私が実際に行っている対策として、まずネットで会社名を検索するのをおすすめします。実態があり、売り上げもそれなりに立っている会社ならば、転職サイトの口コミ評価が出てきたり、他媒体から取材を受けた社長や社員のインタビュー記事も出てきます。
これが自社が発信する情報のみだった場合、かなり怪しいと判断すべきです。
さらに、私のような経営者の場合、取引しても問題ないかを確かめるべく、帝国データバンクで調査票をとって企業の利益と売り上げの額を把握したり、外部投資家が入っているかなどをチェックします。
ここで雇われ社長だったり、売り上げがほとんど立っていない企業の場合はほぼ黒と判断します。中には、情報開示自体を断っている企業もあり、こういった企業はまず取引はしません。
現在の竹花氏の場合、嘘を嘘と認めないばかりか、うやむやにしようとしている態度をとっています。典型的な“怪しい経営者”と判断できます。