コロナ禍で非現金の決済の需要は高まっている
【田中】withコロナで人との接触に対して抵抗感が現れているなか、例えば出前館だと、先に決済が済んでいるので、商品を持ってきたときに現金の受け渡しが不要です。そういった利便性もありますよね。
【井野川】非現金の決済の需要というのは高まっているのではないかと思いますね。
【田中】グローバル全体なのかもしれませんが、コロナがあって非接触であることが重要になってきているなかで、ECもpaymentも数字が伸びていますよね。
【井野川】そうですね。特に今まで実店舗でビジネスをされてきた事業者さまが、オンラインに参入されるケースが多いです。そういった事業者さまが、お客さまにとって使いやすいサイトを作る際、やはり決済は重要です。クレジットカード情報を入れなくてはいけないのは、めんどくさいですよね。それを解消するためにAmazon Payを使っていただいていることが多いです。
例えば、イベント開催のための食料品やお酒を用意されていた事業者さまが、オンラインストアを立ち上げ、イベント用に確保していた商品を売り切ったケースもあります。そんなふうに、実店舗から、オンラインにシフトされる、または販売チャネルを増やされるという数も増えているように感じます。
われわれの仕事は「お客さまの購買判断を助けること」
【田中】なるほど。以前、井野川さんからお話をお伺いしたとき、これもベゾスCEOがおっしゃっているところだと思いますが、Amazonのビジネスの本質として「顧客の購買や顧客の判断の手助けをする」というものがあるというお話を繰り返しておられたのが印象的でした。
【井野川】ベゾスは、われわれの仕事は物を売る、売上をあげる、ということではなく「お客さまの購買判断を助けること」だと言います。例えば、われわれの製品の良い評価も悪い評価も包み隠さず出して、それによってお客さまがご自身でその商品の良い点も悪い点も見比べ、より正しい判断ができるようにしています。
単に売上だけ考えると、悪い評価がないほうが一時的な売上は上がるかもしれません。しかし長期的視点でものを考えたとき、お客さまが悲しい思いをされることは防がなければいけません。われわれの仕事は単に売上を上げることではなく、お客さまに対するより良いサービスをご提供すること。お客さまの購買判断を手助けすることなのです。