「一生懸命メモを取っている50代前半。書くのに忙しくて発言する暇もなさそう。手帳が米粒みたいな小さな字でびっしり埋まっているけど、書いて満足してるだけ。読み返してもいないだろう」(建設)
それでも開かれる会議というものの存在意義は、一度疑い出すと際限がない。
「会議の内容は決まっているのだが、司会者(50代部長)の前口上が長くてなかなか本題に入れない」(大手電機)
「大事な打ち合わせなのに、冒頭から40代半ばの課長クラスが『あ、この件だけど、ちょっとどうなってるの? 』。この繰り返しで、結局は本題に入れなかった」(製紙)
「『これは××のことかね? 』などと、他の全員があらかじめ知っていることだけ質問して、納得して退席する50代後半の部長クラス。会議が進まないんですけど……」(大手損保)
と、しばしば出だしからつまずくし、いざ本論に突入した場合でも、
「他人の意見を求めるように装って、自分の考え通り進める40代部長」(化学)
「結論を頭の中で決めてから会議を開く直属の上司。ただのアリバイ工作だよね。意見を言っても仕方ない。勝手にやってくださいな」(証券)
「部下に意見を言わせるが、罵詈雑言で却下した挙句、自分の計画通りの予定を押し付ける40代前半係長クラス。それなら初めから命令しろ~!」(生保)
と、まったく同じ証言が多数集まった。
「会議中にノートPCを持ち込む人が非常に多く、相当数が内職をしていた。仕切り役の50代部長が『内職する奴は次回から来なくていい。ノートPCは持ち込むな』と言ったところ、参加者が半減。会議の意義や求心力が問われてしまった」(自動車)
会議と上司の存亡の危機である。逆に、次の30代前半リース業の例は悲惨だ。
「『コレが一番大事な会議だ!』(40代係長)と豪語するのが、夜の幹事会と称した飲み屋での悪口&自慢大会。欠席すると翌日から仕事がありません(涙)」
これで休職する羽目に陥ったという。
「人望イマイチの40代部長。月に2回、いろいろな部門から人を呼んでミーティングをしていたが、どう考えても意味がなかったので、メールで『必要ないのでは?』と進言したら、部長は『ご理解いただけないようで残念です。このミーティングは同じ風を感じるために必要なのです』。誰も賛同せず、以後は一度も開かれなかった」(IT)
会議は諸事を決断し、責任の所在を決める場。下準備と心構えが必須、と締めたいところだが、こうして実地の有り様を聞くと、どうもねえ……。