日本のPTA活動は、なぜ母親が担うことが前提になっているのか。そして、大昔とは違い、現在は無用の長物となったベルマーク活動が、いつまでも続けられる理由とは――。

※本稿は、サンドラ・ヘフェリン『体育会系 日本を蝕む病』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

手をつないで階段を登る母と娘
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Hakase_)

「女の敵は女」を回避する

ニッポンには「女の敵は女」という言い草があります。しかし令和の時代は、「女の敵は女」と思わない女が勝ちです! 言うまでもなく、女性が生きやすくなるためには、女性が女性の味方であることが大事。活躍している女性がいれば、その人がさらに活躍できるように応援し、同性として「女性が活躍するためのハードル」をなるべく「なくしてあげること」が大事です。

決して「女性だから必ず女性に味方をしなければいけない」ということではなく、「世のスタンダードである男性社会に当たり前のように同調することをやめてみる」ということです。その上で、同調できる女性には味方をし、またこちらも味方になってもらうという「シスターフッド」は日本に今最も必要なファクターだと思います。

子育てを終えた世代の人は間違っても、「誰の手も借りないで私は子育てと仕事を両立してきた。私のほうが大変だったし、それでも全てこなせたのだから、今の母親は甘えている」などと言わないことです。

逆に、「自分の場合は、こういうベビーシッターを使っていた」など他の女性が参考にできそうなことはどんどん広めるべきだと思います。同性にハッパをかけるつもりで、「自分のほうが大変だった。あなたには頑張りが足りない」といった発言をするのは、間接的に他の女性に対して「気合でなんとかなる」というような体育会系的な考え方を強いていることになり、回りまわって自分も生きづらくなるので、なんとしてでも避けたいもの。

これからの時代は仕事でもなんでも「周りの女性がラクできるように」を目指すこと。自分も女性として協力すれば、結果的に自分もラクができます。仕事もプライベートもなるべく「ラク」を目指せば生きやすくなります。「ラク」を追求すると、気力と体力を温存している分、仕事という肝心な場で積極的になれます。「日常のチマチマ」があなたの活躍を阻むことを心得るべきです。