※本稿は、サンドラ・ヘフェリン『体育会系 日本を蝕む病』(光文社新書)の一部を再編集したものです。
「キャラ弁」は必要なのか
ニッポンの日常生活には「女性を疲労させる小さな縛り」がいたるところに潜んでいます。小さくても日々積み重なれば、間違いなく女性のキャリアに支障をきたすようなものばかりです。でも「睡眠を十分とって元気でいる」ためには、そこを自らの判断で「削る」勇気が必要です。たとえば「手作り」というキーワード、そして「キャラ弁」。「やっぱり手作りで自然なものが一番健康に良いわよね」「子どもが喜ぶことを考えるとキャラ弁はやっぱり必要よね」というのは正しいです。でも気になるのは、ここではお母さんの労力や疲労が全く考慮されていないこと。
健康のため、子どもの笑顔のため、と言えども、母親が万年睡眠不足となれば自身の健康にも良くないですし、「最小限の労力で済む」ことを優先すべき場面も少なくありません。子どもを育てているお母さん方と話をすると「けっこう手を抜いてやっているのよ」とおっしゃいますが、外国で育った私のような人から見ると、ニッポンのお母さんは「寝なさ過ぎ」です。