ビル・ゲイツ、イチローも実践している
次第に心が落ち着いていくのを感じることはできましたか?
不安が大きくなって苦しさを感じたときは、この呼吸法で心を整えてみてください。また、不安やストレスを感じる場面だけでなく、日常生活でもこの呼吸法を繰り返し行うと、何かあったときにも動じることが少なくなり、心が安定した時間が長くなっていくでしょう。
この呼吸法は、瞑想の一種です。瞑想はお寺で座禅をくむものと思っている方もいるかもしれませんが、実は日常生活でも簡単にできます。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、イチロー選手、長谷部誠選手なども日々の生活に瞑想を取り入れていました。グーグルをはじめ瞑想を取り入れる企業も増え、オフィスや空港などにも瞑想ルームが設置されるほど、今や瞑想はメジャーなものになってきています。瞑想にはさまざまな種類がありますが、もっとも基本となるのは、ただ呼吸に意識を集中して観察するというものです。
呼吸に意識を集中することで、頭の中にある思考やイメージを遮断するとともに、出来事に対する感情的な反応をつかさどる前頭前野の回路を強めることができます。これを繰り返し行うことで心を鎮め、負の感情の悪影響を減らすことができるのです。
自分の望む未来のために本当に必要なこと
2019年末、中国湖北省武漢市において病原体不明の肺炎患者が発生し、後にそれが新型コロナウイルス感染症によるものと判明しました。感染は武漢市内から中国各地へ、そして世界へと拡大し、2020年3月にはWHO(世界保健機関)が「パンデミック(世界的な大流行)」と宣言しました。
新型コロナウイルス感染拡大は、私たちの暮らしを直撃しました。2020年3月以降に予定されていた講演がすべてキャンセルになり、いつになったら活動が再開できるだろうと不安を感じたとき、私と同じように仕事がキャンセルになったり、仕事を失ったりする人が何万人も出てくるであろうと思いました。そして、その人たちも私と同じように不安を感じているのではないか、出口の見えないトンネルの中で絶望感を抱えているのではないかと思ったのです。
大きな困難に遭遇するたびに、私たちは不安や恐れが大きくなって感情的になります。被害者意識が強くなり、不平不満を言うようになります。絶望にうなだれることもあります。しかし、それだけでは自分の望む未来をつくることはできないのです。どれほどの変化が起きようとも、その変化に適応しつつ、自分のできることを必要な人に届けながら、あなたのハートが望む未来をつくっていってください。あなたにはそれができます。
お伝えした内容が少しでもあなたの心を楽にしてくれますように、少しでも前向きな気持ちにしてくれますように、そしてあなたが望む未来をつくるために役立ちますようにと願い続けています。