「同じ響きが続くと、聴いていて耳ざわりがよく、印象に残りやすくなります。とりわけ小池さんの場合、連辞でも、ワードを3つに揃えるように心がけています。3つまでの言葉なら、ワンセットで覚えやすいことも、彼女は熟知しているのでしょう」(佐藤さん)

老練な技巧が両刃の剣にも

そして、小池知事はスピーチをするとき、言葉と言葉の間隔を空けたり、発音に抑揚をつけたりして、声の調子やリズムを整える。「それも、話に耳を傾けさせる工夫の1つなのです」と、佐藤さんは指摘する。また、小池知事はスピーチの安定感にも定評があるが、佐藤さんは、「TVキャスター時代からの経験の積み重ねが、ものをいっているのでしょう」と話す。

「たとえば、生放送の現場では、刻一刻と変化する状況に合わせて、言葉遣いや話しぶりも変えなければなりません。小池さんは、そうした場数を踏んでいるので、どんな場面になっても、動じずに対応できます。それが、彼女の強みの1つになっていますね」(同)

小池知事の表情や仕草についてデジタルハリウッド大学教授の匠さんは、「TVキャスター出身のベテランの政治家だけに、常に人に見られていることに対して非常に慣れています」と評する。

「記者会見などでの小池さんのデフォルトモードは、体の前で両手を組むクローズスタイルなんですが、若い大阪府知事の吉村洋文さんと違って落ち着いて見えるので、貫禄を感じさせ、相手に安心感を与えるわけです」

小池知事は記者会見で、よく会場を左右に広く見渡しながら説明を行う。そのことについて匠さんは「目配りのバランスがいいので、会場全体をつぶさに観察して場内の状況を詳しく把握できて、マスコミにも自分のことを強く印象づけられます」と説明する。また、匠さんは「ファッションも、シックで落ち着きがあり、女性の魅力をアピールしたりしません。女性有権者の反感を買わないように、配慮しているのでしょう」と評する。

しかし、老練なそうした技巧が、「両刃の剣」となるかもしれない。「人によっては、計算ずくのパフォーマンスが鼻につくかもしれません。小池さんは、ファンが多い半面、アンチも相当数いるように思われます」と、佐藤さんは指摘する。どうやら小池知事のスキルを自分のコミュニケーションにそっくり活かすには、注意が必要なのかもしれない。

(写真=時事通信フォト)
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