「賃金の支払われないボディガード」として女性を守らねばならない
4.「男性の身体・精神・生命の軽視」が許せない
現代社会では「女性の身体を傷つけた」「女性に不快な思いをさせた」ことが重大な罪になる。
痴漢や性犯罪の加害者として認定された男性は、弁解の余地なく社会の敵=パブリック・エネミー扱いされ、社会的地位や仕事を失うことになる。
一方で、「男性の身体を傷つけた」「男性に不快な思いにさせた」ことが社会的に重大な罪になることは、女性の場合と比べると圧倒的に少ない。
平均寿命の格差に代表されるように、男女間の健康格差は歴然と存在している。
自殺率、過労死、殺人被害者の割合、孤独死の割合、遺体が発見されるまでの日数、ホームレスの割合……いずれも男性の方が女性よりも圧倒的に高い。それにもかかわらず、男性は「賃金の支払われないボディガード」=不払い労働者として、身を賭して女性を守ることが義務付けられている。
こうした事実はまさに、日本が「女尊男卑」社会であることの証拠に他ならない。
フェミニストたちは、女性の昇進を阻んでいる見えない制度や文化の存在を「ガラスの天井」と呼ぶが、男性には「ガラスの地下室」がある。
男性は、収入と引き換えに、危険な職種への従事や長時間勤務を強いられ、自殺、病気や事故による高い死亡率、徴兵、自殺、死刑といった過酷なリスクにさらされながら、使い捨てにされている。日々目の前で起こっているはずのそうした出来事は、見えない「地下室」に押し込められ、決して問題化されない。
男性の精神と肉体が女性に比べて圧倒的に軽んじられていること。それにもかかわらず、男性は、女性の精神と肉体、生命に対して圧倒的な尊重を強いられること。この不公平さこそが女性の既得権益であり、男性を苦しめている元凶になっている。許せない……!
「男である」というだけで何をしても否定される
5.女性批判がタブー化されていることが許せない
女性のネガティブな側面を公の場で語ることは、社会的なタブーとされている。女性から「女性差別だ!」と言われたら、良心的な男性は沈黙するしかない。
女性が男性を公の場で批判すること、男性に対する嫌悪や憎悪を表出することは許されているにもかかわらず、男性が女性に対して同じことをすると「差別」や「ヘイト」というレッテルを貼られてしまう、という明らかな非対称性がある。
さらに、何が「差別」や「ヘイト」に当たるのかについて、男性が女性に尋ねること自体がけしからん、と非難される。「性差別について女性に教えてもらおうとするな。自ら学べ」と上から目線で糾弾される。
ジェンダー平等意識の高い男性も、「ジェンダー平等について語るだけでなく、自ら実践せよ」「女性に褒めてもらおうとするな。まともな人間として振る舞うだけでご褒美をもらえると思うな」と攻撃される。
「男である」というだけで、何をしても否定され、糾弾される。そうした理不尽かつ差別的な状況に置かれているにもかかわらず、公の場で女性を批判することはタブーになっている。許せない……!