病気の中では極めて認知度の高い皮膚アレルギー疾患の「アトピー性皮膚炎」。患者数40万人といわれているが、実際にはその2~4倍はいると推測される。
アトピー性皮膚炎とは、痒みのある皮膚の炎症が体の一部、あるいは全身に現れ、良くなったり悪くなったりを繰り返しつつ、慢性的に続く病気である。
このような症状が出るのは、持って生まれたアレルギー体質と、皮膚のバリア機能が低下する体質、この2つが重なることによる。バリア機能は異物が体内に入るのを防ぐ機能。これを痒いからとかきむしるとバリア機能が壊れ、ダニ、ハウスダストなどの刺激が内部に達してしまう。
さらに、生活環境、特定の食べ物、ストレスなどいくつもの要因が絡み合ってアトピー性皮膚炎を治りにくい病気にしている。
アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能をみると診断がつくし、赤みの炎症度合い、盛り上がり具合で「軽症」「中等症」「重症」「最重症」の4段階にわけられる。そして、治療は重症度に合わせて行われる。「薬物療法」「悪化要因の検索と対策」「スキンケア」が治療の3本柱。とりわけ、薬物療法が重要になる。
ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの塗り薬が基本。これに補助的に抗アレルギー薬やヒスタミン薬の内服薬を使う。
ファーストチョイスのタクロリムス軟膏は顔や首、ステロイド外用薬は体部に使う。タクロリムス軟膏は局所免疫調整外用薬で、ステロイド薬のようなホルモン作用などによる副作用がない。だから、副作用の出やすい顔や首にも安心して塗ることができる。
ステロイド外用薬の炎症を抑える強さは、ウィーク(弱い)からストロンゲスト(最強)まで5段階。タクロリムスはそのうちのミディアムからストロングにあたり、弱い側から2~3段階となる。
体部の場合は強い炎症をステロイド外用薬で抑え、適切なタイミングでタクロリムス軟膏に切り替える。
医師から指導された量を適切に塗って、月に1回は診察を受けていくと、難治性であっても90%の人は改善し、アトピーと上手に付き合えるようになる。
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