日本における食品ロスの内訳

食品ロスには事業系と家庭系があり、比率はほぼ半々。原因や課題は多様ですが、たとえば事業系では小売店が食品メーカーに科す「欠品ペナルティ」もそのひとつだといえるでしょう。商品が品切れしていると小売店は売り上げ機会を失ってしまうため食品メーカーに圧力をかけ、欠品を起こした場合には損失補填や取引停止を迫るのです。それゆえメーカーは、小売店からの注文数よりも多く納品したり、過剰に製造して追加発注に備えたりします。

日本における食品ロスの内訳

賞味期限に関しても「賞味期限の3分の1を過ぎると納品拒否」「賞味期限の3分の2の期日までに売れなければ返品・廃棄」「前回納品分より賞味期限が後ろのものは納品できない」といった厳しすぎる商習慣があります。

これには消費者の側にも問題があります。少しでも新しいものを求めて棚の奥から商品を取る人が多いので、必然的に手前の商品が廃棄されることになっているからです。賞味期限は「美味しく食べられる目安」とされていますが、かなり早めの期日設定になっています。たとえば缶詰は賞味期限が3年ですが、じつは時間が経つほど味が染みて美味しくなります。缶が破損していなければ雑菌は入らず理論的には数十年でも保つものです。

いっそ賞味期限日の記載をやめ月/年単位にしてもよいと思います。3カ月以上の賞味期間があれば日付は省略できますが、食品メーカーは消費者への配慮から消極的です。2019年10月に「食品ロス削減推進法」が施行されましたが、ペナルティもインセンティブもなく努力義務のみ。モラルと良心に頼る方法では限界があります。

一方で自粛要請期間には、休校で使われなかった給食用の農産物や、レストランの休業で行き場を失っていた海産物にネットで買い手がついて廃棄を免れたという話題がありました。あるいは町の飲食店のお弁当を地域の人が購入したり、道の駅で農産物を買い求める人が増えるなど、食への意識がこれまでになく高まりを見せました。これは困難な時期に見られた数少ない光明でした。

商習慣や人々の意識を急に変えることは困難ですが、今回の経験が、日本人が「食の問題」に正面から向き合う契機になることを願っています。

(構成=渡辺一朗)
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