富士山に何が起こる?
富士山が日本一の活火山であることは広く知られるようになった。そんな富士山がこのコロナ禍のなかで噴火したらどうなるかが話題となっている。今年4月に政府の中央防災会議が富士山噴火のシミュレーション結果を発表したのだ。
富士山は江戸時代の1707年に大噴火した。「宝永噴火」と火山学者が呼ぶもので、近い将来に同じ規模の噴火が起きた場合、首都圏が大混乱に陥る。2~10cmの火山灰が降り積もると予想されているが、もしレールの上に火山灰が0.5mm積もると鉄道は運行できない。
加えて雨が降ると、送電線に付着した火山灰によりショートして、東京・神奈川・千葉・埼玉で大規模な停電が発生する。同時に携帯電話の基地局の電源も切れ、スマホやネットが使用不能になり、3時間ほどで都市機能がまひすると見られる。さらに火山灰はガラス質の細かい破片なので、舞い上がると目やのどを激しく痛めることになる。
本稿では、そもそも富士山の噴火とはどういう現象なのか、地下で何が起きているのかということについて基本から解説する。降ってくる火山灰におびえるだけでは的確な対処ができないからだ。