このようなリスクに、日本企業はどういった対応が必要なのだろう。
「正直いえば、反日感情がいったん爆発してしまえば、企業として打てる策はほとんどない」と前出のコンサルタント。予防策としては「中国文化や中国人の気質、歴史問題をよく理解し、日中間の懸案をよく知り、情報収集につとめること。企業のローカライズ、宣伝・広告などでも反日感情を刺激しそうな要素を徹底排除するなど気をつける」(同)。実際、尖閣諸島の衝突事件が発生した直後、不穏な空気を感じた日系企業のいくつかは中国のインターネットポータルサイトへの広告掲載をキャンセルするなど慎重に対応した。
一方、成都の日系企業関係者は「大手企業は前日に公安局から、明日にデモがあると連絡を受けており、ある程度の準備はできていた。重慶の日本領事館からも連絡はあるが、地元公安局との関係ふくめ普段から情報収集網をつくっておくことは大事だ」と言う。
デモ発生後、ミズノは現地対策本部を設置し、被害状況その他の情報収集を行っている。現地の企業関係筋によれば、メーカー側は壊された日本製品の持ち主に対し、迅速に修理、交換を申し出て、消費者の不満不安を残さないようにアフターケアに奔走中という。
(PANA=写真)