「賢い子は早寝早起き」と、毎朝5時に家族全員で起床
宮本算数教室といえば、入塾時は無試験先着順ながら、8割以上の生徒を開成や麻布、桜蔭といった超難関校に合格させてきた塾。教室では一切教えず、生徒が自ら解いていくスタイルを実践。2004年に考案した「賢くなるパズル」シリーズは、06年に出版され、国内だけで累計250万部の大ベストセラーとなり、英名『KENKEN』として10言語、20カ国で楽しまれている。同年にはTBS系列の人気テレビ番組「情熱大陸」でも取り上げられた。
さらに、04年に出版した『強育論』は、中学受験家庭のみならず、幅広い子育て世代のバイブルともなっている。
ずっと独身だった宮本先生が56歳で若葉さんと結婚、59歳にしてさくらちゃんのパパになったのだ。パパ歴1年とはいえ、塾の講師歴40年、数多くの「賢い子」とその親を見てきた宮本先生の子育てには、一切の迷いがない。
「賢い子は間違いなく、早寝早起きの朝型です。眠っている間に子どもは体も頭も成長する。学習したことを定着させるには、十分な睡眠時間が必要なんですね。また小さい頃から、テレビやスマホに触れていないのも賢い子たちの特徴です。テレビで育った子は国語力に問題がありますね。テレビもスマホも、小さな子どもにとっては単なる電気信号ですから」
賢い親は? 「子どもに手をかけすぎず、口出しせずに見守れる人」
賢い子の親にも共通点がある。
「謙虚で奥ゆかしいです。自分が子育てしているのでなく、自分も子育てを通じて成長させてもらっているという姿勢なんです。だから子どもに手をかけすぎないし、口出しせずに見守っていられる」
それにならって、宮本家でも朝型の生活を実践。宮本先生は毎朝5時に起床。離乳食も本人が食べる気になるまで気長に待つ。ハイハイも飽きるまで付き合う。
「『すべての生き物には学習するという本能がある』と自著でも書きましたが、本当にその通り。娘が生後3カ月のとき、寝ているときに首をしきりに後ろに反るから、これは寝返りの練習をしているんだとわかった。でも下半身がついていけないから、全然うつぶせになれない。それでもめげないんです。やれと言われているわけでもないのに、何度もトライしている。それで体をねじったときにちょっと手伝ってやったら、くるっとひっくり返った。娘はびっくりしていましたね。まさに天地がひっくり返ったわけですから。自力で初めて寝返りできたときは、それは誇らしい顔をしていました」