学会幹部「死を隠すメリットが何もない」
「池田名誉会長の死を隠すことに、いったい何のメリットがあるのか、逆に教えてほしい」とその幹部は言い、実際に過去にあった「死亡スクープ報道」は、ことごとく誤報だったと述べた。
現在92歳になる池田大作氏が公の場から姿を消したのは2010年のこと。その直前、創価学会の行事などでは、一般会員や、時に会員外の目さえあるところで、池田氏が学会幹部の発言をさえぎって不規則発言するなどの“奇行”が見られるようになり、2010年5月を境に、池田氏は公の場から姿を消した。以後、脳梗塞もしくは認知症で闘病中などといった風聞がさまざまなところで語られているが、その真偽はともかく、池田氏の肉声が世間に伝えられなくなったことだけは事実である。
池田大作氏とは、“奥の院”に黙ってこもっているようなタイプの宗教家ではなかった。彼は現役時代、学会活動の最前線にまさに生身で飛び込み、全国の一般会員と顔を合わせ、握手をし、肩を抱き合って激励・指導を重ねてきた文字通りの“活動家”だった。その「池田先生と生身で触れ合うことができた」感動を糧にして、多くの創価学会員たちが過激な折伏(布教)や公明党の票数獲得に奔走、今の巨大な創価学会と公明党をつくり上げたのである。その偉大な“生身”が全国の創価学会員の前から消え去って、10年になる。
なぜ大作氏は別格なのか
無論、今でも聖教新聞などの創価学会の機関紙類には、「池田先生のメッセージ」などといったものがしばしば載る事実がある。ただ池田氏には『新・人間革命』全30巻ほか、膨大な著作があることは周知の通り。常識的に考えて1人の人間が執筆できる量ではなく、これらは「大作の代作だ」と昔からさんざん批判され、会員たちも部外者も大いに“含んで”きたことだ。そうしたことも含め、池田大作氏とはやはり“生身で語る宗教家”だったのであり、“活字で何かを訴えること”は二の次の人物であった。
今の創価学会の名目上のトップは第6代会長・原田稔氏だが、彼を創価学会の真の指導者だと思っている人は、ほぼいないだろう。創価学会の真のカリスマは、今もなお池田大作氏をおいてほかにない。創価学会の教団職員たちに会うと、彼らは一般のサラリーマンが自社の社長を敬称略で呼ぶように、現会長を「うちの原田が……」と呼ぶ。しかし話題が池田氏におよぶや、彼らの口調は「池田名誉会長」「池田先生」と一変するのだ。創価学会において池田氏の存在は今もなお、これほど抜きんでている。