裏引きで「濃厚接触」の情況を詳しく聞いた

「4月以降、連絡をくれるお客さんはほとんどいません。店長は本当に頭を痛めてますね」

千葉県千葉市中央区——。千葉都市モノレール栄町駅前に数件軒を連ねるソープ店の一つで働く中井千佳さん(仮名・27歳、大阪府出身)は、過去最大の不況が訪れていると嘆いた。

大阪から上京し大学へ入学するも、すぐに中退。21歳で一般企業の事務職として働き始めたが「夜に遊ぶお金が足りない」ということで、ソープランドで働き始めたのが今から6年前。彼女は1年前、専業ソープ嬢になった。

栄町のプレイ時間は70〜90分で1万7000~2万5000円が相場だ。コロナ以前は月150万円ほど稼いでいたという彼女だが、4月以降は店舗の営業自粛によって、一気に収入を失った……かと思いきや、事態はそう単純ではなかった。

「シネシティ広場にだーれもいないなんて考えられないよ」
「シネシティ広場にだーれもいないなんて考えられないよ」(筆者撮影)

「コロナ後は、お店のお客さんから直接連絡がきて、本当に常連の人だけ会っていますね」

いわゆる“裏引き”というものだが、この状況下で“濃厚接触”となるサービスを提供するのはあまりにもリスクが大きい。だが、これに千佳さんは反論する。

「会ってるのはほんとに2〜3人です。っていうかほぼ1人。20回以上遊びに来ている高井さん(仮名)っていう70歳の常連さんだけです。会社を5社経営していて、ソープで遊ぶのが生きがいみたいな人なんですよ」

コロナだから店ではなく個別で会うことは可能か

緊急事態宣言が発表された直後、その高井さんからLINEが送られてきたという。

<千佳ちゃん、お店遊びにいけなくなっちゃったから、個別で遊べない? 普段お店ではできないことをお願いしたいんだけど……>

取材時の4月末現在、ソープ専業の千佳さんは出勤日数0日の状態。内容次第で考えようとそのプレイ内容について返信したという。

<千佳ちゃんの女友達呼んで、一緒に3Pがしたい。2時間で1人7万円。どうかな?>

大胆な提案だったが、千佳さんはすぐに受け入れたそうだ。

「いつもホストクラブに行ってる女友達がいて、そのコも風俗やってるコなんです。境遇は私と同じだからたぶんノッてくるだろうなって」

千佳さんの見立ては正しく、目ぼしい遊び友達にLINEを送ってみたところ、すぐに返事があった。女子大生の佐藤瑠璃さん(仮名・20歳)だ。

「このコもまた、緊急事態宣言後、金欠だとTwitterでずーっと病みツイートしてたコで。提案するのに抵抗はなかったですね」