検察庁法改正案と、検察幹部と産経・朝日記者の麻雀賭博報道で、安倍政権は支持率が低下。2紙にも猛烈な逆風が。なぜ今、そんなことが?
赤いメガホンから無数のハッシュタグが吐き出されている
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「政治と検察の力関係」から「マスコミと検察の癒着関係」へ

ちょっと気味が悪くなるようなボリュームだった。5月8日以降、検事総長・検事長らの定年延長を可能にする検察庁法改正案に抗議するハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」をつけたツイート数。安倍政権と関係良好とされる黒川検事長の定年延長を可能とすることから、同法改正案を「検察への政治介入」と受け取った抗議のツイートが、多くの芸能人らのバックアップで爆発的に拡散。総計は実に500万を超えた。

複数のメディアの検証では、スパム(同じツイートを繰り返すなど1人格1ツイートとは推計できないもの)もごくわずかだったという(毎日新聞、ねとらぼ調査隊ほか)。アニメ映画『天空の城ラピュタ』地上波放送で、本編中の呪文“バルス!”をツイートするイベントでは、ピーク時の2017年でもツイート数は1日で200万足らず。地味で面倒な法律ベースの話題が、国民的エンタメイベントを上回ったわけで、この改正案が安倍政権に対する国民感情にマイナスに働いたことは確実だ。各社の世論調査、特に左派の朝日新聞・毎日新聞のリサーチでの支持率低下が目立った。

同20日発売の『週刊文春』が、その黒川検事長と朝日・産経記者が賭け麻雀を行っていたことを暴露。世間の関心は政治と検察の力関係から、マスコミと検察の癒着関係に移った。少なくとも一般の目には、大手メディア記者と検察幹部とが接待麻雀にふける姿は、まさに「癒着」そのものと映っている。