「家賃収入=手取り収入」ではない

3つ目は、満室想定利回りのベースとなる家賃は、そのまま何年も続くとは限らないということだ。周囲に同じようなタイプの新築の物件が増えれば、競争上、家賃を下げないと入居者が決まらないという状況になるのが一般的だからだ。実際、10年間家賃を下げなくていい物件は珍しい。

永井ゆかり『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)
永井ゆかり『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)

4つ目は、広告に表示されている利回りは表面的な利回りであり、実際の利回りではないということだ。賃貸経営にかかるコストは、不動産購入費だけではない。契約する際には仲介手数料や広告料がかかり、管理会社に委託すれば管理費がかかる。設備の故障や建物が老朽化したときには修繕費がかかる。最大の支出である借金の返済が重くのしかかる上に、税金も払わなくてはいけない。

時々勘違いする人がいるが、「家賃収入=手取り収入」ではない。売り上げにあたる家賃収入から、こうした費用を差し引いた金額がキャッシュフロー(手残り)となり、これがいくらなのかを考慮して算出する実際の利回り、「実質利回り」を把握し、確保できるかどうかを見極めることが重要だ。

【関連記事】
5回の暴落を経験した経済評論家が伝授「今、投資で絶対やってはいけないこと2つ」
医師が「五輪選手村タワマン→コロナ病院はやめるべき」と訴える臨床的な理由
ゼロから1億円貯められる人の行動は、普通の人と何が決定的に違うのか
「日本は本当の地獄を見る」…コロナ&消費増税のW危機で令和大恐慌へ!
「マスクの高値転売禁止」で転売ヤーが次に狙っている商品