人は眠らなければ生きていけない。起きている間のパフォーマンスを上げるには、質の高い眠りを、適切な時間だけ取りたいもの。最新研究の成果は?
適正な睡眠時間は7~9時間
適正な睡眠時間がどの程度かは人によって違いますが、ほとんどの人は成人で7~9時間の睡眠時間が必要で、足りないと心臓病やがん、糖尿病、うつ病などの発生率が高くなります。一定期間中の死亡率や各種病気の罹患率と睡眠時間の調査では、日米とも7時間前後を底として、それより短くても長くても数値が悪くなっています。
毎日3時間ほどの睡眠しか取らなくても生活に支障が出ない「ショート・スリーパー」も人口の5%未満存在しますが、そうなるのは遺伝的な要因が大きく、誰でも慣れれば短時間睡眠型になる、ということではありません。普通の人が6時間睡眠を2週間続けると、集中力や判断力などの脳の機能が丸1日徹夜したのと同レベルまで低下してしまいます。
ところが厚生労働省の調査などを見ても、日本の成人の平均睡眠時間は4割が6時間未満で、特に40代、50代には睡眠時間が足りていない人が圧倒的に多いのが現実です。
睡眠では長さに加え質も大切です。短い睡眠時間しか取れなくとも、その中で少しでも睡眠の質を高めることが生産性や健康を保つポイントで、そのために日々の生活の中で気をつけるべきことがあります。