2020年のインターハイが“開催危機”にある。東京五輪と開催期間が重なるため、メイン開催地である北関東の宿泊施設の確保が困難となり、一部競技を他地域で開催する。このため自治体の補助が望めなくなり、予算不足で一部競技は開催できない恐れがある。スポーツライターの酒井政人氏は、「この問題の存在自体が知られていない」と指摘する——。

2020東京五輪が2020インターハイを“ぶっ潰す”

開幕まで約8カ月と迫った東京五輪だが、マラソンなどの開催地が札幌へ変更になるなど、ドタバタな印象が拭えない。他にも熱中症対策、チケット問題など課題は山積みだが、もうひとつの大問題が「待ったなし」の状況に追い込まれている。

2020年の全国高等学校総合体育大会、通称「インターハイ」が“開催危機”にあるのだ。

インターハイは全国高等学校体育連盟(以下、高体連)の主催で毎年8月に行われるスポーツの総合競技大会だ。1963年(昭和38年)に第1回大会が開催されると、近年は陸上競技、バスケット、サッカー、バレーなど30競技を実施して、全国47都道府県から6000校以上、3万6000人余りの選手、監督・コーチが参加。60万人以上の観客数を数える国内有数のスポーツイベントになっている。

インターハイの開催危機については、東京五輪が大きく影響している。