どんどん増税して天下りポストを増やしたい財務省

財務省は、とりやすいところから容赦なく税金をとろうとします。

走行税もそうですし、最近でこそ耳にしなくなりましたが死亡消費税なんていうのもそうです。財務省は、御用学者や御用評論家を使ってテレビで新しい税金の話を広め、国民に対して増税を受け入れさせる地ならしをします。そうやって国民を「日本は借金漬けなのだから仕方がない」と洗脳するわけです。

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なぜ財務省が不断に増税しようとするのかといえば、増税すればその分天下り先が増えるからです。

財務省にとって、なかでも美味しい税金は消費税です。というのは、消費税には例外措置をたくさんつけることができます。軽減税率だ、ポイント還元だなんだと、いろいろな条件をつけることができます。今回にしてもレジスター1台当たり20万円の補助金を出すことになっていますが、そのためにつくられる協会の理事長ポストや専務理事ポストは財務省の新たな指定席になるはずです。

金科玉条「借金漬けの日本」というプロパガンダ

増税による利権拡大をつづける財務省が、金科玉条きんかぎょくじょうのようにして利用しているのが、「借金漬けの日本」というプロパガンダです。

しかし、私がこれまで本書シリーズ(『日本経済 投資のシナリオ』)で何度も指摘してきたように、日本は借金大国ではありません。たしかに巨額の国債を発行している事実はありますが、バランスシート上の負債にはそれに見合う資産があり、赤字国債で賄わなければならない部分はほんのわずかな金額でしかありません。元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一さんが主張しているように、日本はいま、すでに財政再建を果たしているのです。

私は、財務省が進める増税路線に、いつまでも正当性が与えられるとは思いません。

相場がそうであるように、いつまでも一方向にだけ動くものはありません。たとえば、永遠につづくと思われていたグローバリズムでさえ、米中の新冷戦で逆回転することになりました。その伝でいけば、財務省の増税も、いつか必ず巻き戻される日がやってきます。

私は案外、相続税あたりからそれが始まるのではないかと考えています。話がややれますが、私の考えをほんの少しお伝えしておきましょう。