右派は、普段からキャバクラにお金を落としているから、選挙の時にお願いができる。一方で左派とそういった店は相性が悪いため、若者票を取りこぼしているという側面がある。
お金に目が眩んで投票する嬢たち
余談だが、キャバクラの待機のときに、キャストの間で「(玉城)デニーに入れたら経済ヤバイんでしょ?」「選挙行く?」「誰に入れたらいいんだろう」「分からないよね」などの会話があった。
その話だけ聞くと政治に関心があるみたいでよかったのだが、「沖縄のことだけ知ってればいいよね!」と言っている女性キャストが「佐喜真に入れたら給料上がるし、携帯代下がるってよ!」と話していて、筆者は軽くショックを受けてしまった。
このいくつかのエピソードをまとめると、沖縄のキャバクラ嬢は、お金に目が眩んで投票に行く可能性があるということだ。県内の高級店で働いている女性キャストのインスタグラムを見ると、県知事選の時期は佐喜真氏を推す内容の投稿ばかりが目立っていた。
その女性に支持する理由を聞くと「経済が良くなりそうだから」と、答えていた。もちろん、無党派の人の方が多いとは思うけれども。右派は、県民の思いに応える「パッション」よりも、経済重視の「ミッション」を大切にしている。しかしながら、ミッションよりパッションを重視する左派のやり方を続けていると、キャバクラ嬢の浮動票は右派に動いてしまうのも理解できる。
もちろん、お客からの影響だけではなく家庭や個人的な付き合いもあるだろう。しかし、キャバクラにおいて右派が強いのはこれまでのエピソードを見ても分かる。沖縄県によると、高校中退率は1.6%で、全国平均の1.3%を上回る。県内のキャバクラに勤めている女性キャストやスタッフも、この層にいる割合は少なくない。
米軍基地をはじめ政治的な問題はたくさんあるのに、政治そのものについて学ぶ機会は他都道府県に比べて少ないのが沖縄の若者の実情だ。もっと女性キャストや若者が自分で考えられるように政治の話を理解できる土壌が作られればいいと、筆者は願うばかりだ。