最後は部下の育て方について考えよう。セブン―イレブンでは学生アルバイトでも始めて3カ月も経つと、経営について一家言を持つようになるといわれる。発注分担といって、バイト学生も担当商品ごとに自分で仮説を立て、発注し、結果を検証する。日々の実践が自信を植えつけるのだ。欧米の経営学者も注目する。時給が特に高いわけではない。それでも各自が力をつけ、育っていく理由をこう話す。

<strong>鈴木敏文</strong>●セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEO
鈴木敏文●セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEO

「人間にとって大切なのは、やはり、仕事のしがい、働きがいです。給料の高い会社は社員が定着し、給料が少しでも安かったら、離職率が高まるかといえば、必ずしもそうではなく、逆の場合もあります。

(尾関裕士=撮影)