日常生活から学ぼうとする姿勢が大切

ちなみに東大は、年号や出来事の暗記ではなく歴史の「なぜ?」を問う問題を多く出題しています。時代背景や、歴史の大きな流れを鑑みて1つの出来事について記述させる問題や、なぜ歴史上の人物が当時そういう行動を取ったのかを問う問題などが出題されています。

例えばこの問題は、「伊藤博文らの調査団に加わっていたらどう反論するか?」というものです。なかなかユニークですが、教科書には書いていないけれども教科書をよく読んで考えていればわかる、本質的な理解を問う問題ですね。

現役東大生が教える東大のへんな問題 解き方のコツ』(日本能率協会マネジメントセンター)より
西岡 壱誠『現役東大生の世界一おもしろい教養講座』(実務教育出版)

いかがでしょうか? まとめると、思考力というのは日常生活や出来事に対して「なぜ?」という目線を向け、学んだことや教科書に書いてある知識と結び付けて解を導く能力のことであり、そのためには日常生活から学ぼうとする姿勢が必要だということです。

そして、東大は結び付ける知識のことを「教養」と定義しています。何でもかんでも知識をつければいいということではなく、活用できる知識のことをこそ教養と呼び、それを養成する授業が日夜展開されているというわけです。

みなさんも、教養を付けて思考力を養成するための訓練を積んでみてはいかがでしょうか? ちなみに僕も、日々そのための勉強をして忙しい毎日を送っています。みなさんもぜひ!

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