2030年、日本の人口の約半数がおひとりさまに

前々回もお話しした通り、マーケティングでは、将来のマーケットサイズを占ううえで、10~20年後の既婚・未婚割合や世帯形態など、「環境要因」の変化に目を向けることが重要です。そこで、いまから約10年後、2030年の市場を予測してみましょう。

野村総合研究所発表のデータ(14年)によると、日本では30年、なんと全人口の約半数(5割)が「おひとりさま」になると考えられています(図表1)。

2030年の配偶関係別人口予測

なぜか? もちろん若い男女も、いまと同程度かそれ以上に結婚しないことが予想されますが、上の世代も市場に大きな変化をもたらすほどは、結婚(熟年婚)しないようです。

一方で、むしろ顕著になると見られるのが、「シニア女性」のおひとりさま。

日本女性は、男性より平均寿命が6~7年長い。しかも現65歳以上の女性たちの多くは「3~5歳以上年上」の男性と結婚しているケースが多い、とされています。よって単純計算では、女性(妻)のほうが10年前後、長く生きる確率が高いのです。となれば、この先売れる商品も変わってきそうですよね。

単身世帯もどんどん増える

また今後は、世帯形態でも「一人」がどんどん増えていきます。1980年、日本では結婚したカップルが同居する世帯が、全世帯の5割以上(54.6%)を占め、対する「単身世帯(ひとり暮らし)」は2割弱(19.8%)程度でした。

最大の理由はこのころまで、30代男女では未婚者が、約10~15%程度しかいなかったから。85~90%の男女は、当たり前のように結婚(そして出産)していたからです。

ですが90年代~00年代にかけて、日本では未婚や離婚が急増。80年に2割弱だった「単独世帯」は、2015年に3割強に、さらに2040年には4割弱に達し、結婚カップルとほぼ同じ割合になる見込みです(18年 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」)。