MNC New Yorkの山本未奈子さんと高橋くみさんは大学時代の親友だ。離婚、転勤、再婚、出産……。ライフイベントのたびに訪れる経営の危機を2人で乗り越えてきた。友人同士の起業はうまくいかないという周囲の反対をものともせず、2人で起業した理由とは――。

性格は真逆なのに意気投合

クラウドファンディングで1億円の支援を集めた、画期的な超吸収型生理ショーツ「Bé-A《ベア》シグネチャーショーツ」。生理の日にナプキンがいらないというコンセプトで、女性の生理時の生活を一変させるイノベーションを起こしたということで注目が集まっている。

MNC New York 代表取締役 山本未奈子(左)、取締役 高橋 くみ(右)写真=MNC New York提供
MNC New York/Bé-A Japan 代表取締役 CEO 山本未奈子さん(左)、取締役 高橋 くみさん(右)写真=MNC New York提供

このショーツを開発したMNC New Yorkは化粧品ブランド「SIMPLISSE/シンプリス」やファッションアイテムブランド「CALLi tokyo/キャリー トーキョー」など人気商品の販売・開発を行っている。同社の山本未奈子代表と高橋くみ取締役は、UCL(University College London、ロンドン大学)時代からの親友だ。

小さなころから海外の全寮制の学校に通い、シングルマザーに育てられたという共通点を持つ二人は、大学1年生のころから意気投合。しかし、性格は真逆だった。

山本さんは自分と高橋さんの関係について、「夢を語る人とそれを実行する人」と説明する。表に出て営業していくことや、新しいことを始めることが得意な山本さんと、システム周りや財務関係など、種を埋めて育てていくような仕事が得意な高橋さん。経営で言えば、山本さんがCEOで、高橋さんがCOOという関係になるだろう。

「日本のいいものを伝えたい。日本と海外を行き来できるようなビジネスをやろう」と創業の誓いを立て、ここまでやってきた二人だったが、その道のりは紆余うよ曲折の連続だった。