チャンスをつかむか逃すか、その差は礼儀作法にある
仕事でもプライベートでも、やたらチャンスに恵まれる人がいると感じたことはないだろうか。能力的に大きな差異はないのに、急な会合でも上司から声のかかる人とそうでない人がいる。作家の中谷彰宏さんは、その違いは礼儀作法にあると話す。
「第一印象、見た目が良くても、礼儀作法を知らない人が同行者に1人でもいれば、連れていった上司も会社も『その程度』だと評価されます。たとえ気の利いた発言ができたとしても、それを生かせないのです」
欧米ではパーティーでヘッドハンティングされることも多いというが、実績をアピールできる面接とは違い、会話や立ち居振る舞いで人となりを判断されることになる。ここでも見られているのはやはり作法だ。
「礼儀作法ができている人は“感じがいい”のです。そういう人は相手に不安や不快感などマイナスな印象を与えない。いつどこに大事な出会いとなる人がいるかわからないのだから、感じがいいと思われるか悪いと思われるかで、チャンスをつかめるかどうか、未来が分かれます」
わかりやすいのが飛行機やホテルでのアップグレードや、レセプショニストがいる高級レストラン。その場に適切な人物かどうか、選ぶ側も慎重を期しているのだそう。
「面接なら落ちたことがわかりますが、礼儀作法に関しては、見えないオーディションに落ちていることに気づかない。これが怖い。改善するタイミングがないのだから。本人はチャンスに恵まれなかったと思っているけれど、実際は、自分自身で逃していたのです。落ちたことに気づかせない、これが大人のルールです」