女性が、「割り切る」時と「こだわる」時
「そういえば、これだけ女性は忙しいのに、髪を洗うときに『リンスインシャンプー』をあまり使わなくなったよね。それはなぜでしょう?」
今回のテーマは、仕事仲間とのこんな会話がきっかけでした。
例えば、出勤前の基礎メークは「オールインワン」などで手早く仕上げたいのに、洗髪では、シャンプーとリンスが一度でできる「リンスイン」を使わない人が多いのです。
もちろん、ヘアケア意識は人によって異なり、売り上げ上位に「リンスがいらないシャンプー」が来るブランドもあります。でも小売りの店頭では主流となっていません。
そこで今回は「ヘアケアへの消費者意識」を考えてみます。ただし、ヘアケアの範囲は広いので、シャンプー、リンス、コンディショナー選びを中心に考えることにします。
「リンスインシャンプー」を選ばない理由
「確かに私も使わないですね。思いどおりの仕上がりにならないからです。時々、出張先のビジネスホテルに置いてありますが、そういう時は、持参した化粧ポーチにある携帯用のシャンプー、コンディショナーを使います」(スタッフ職の40代女性)
現役世代の女性に話を聞くと、「いまは使っていない」という声が一般的のようです。
あるメディアの編集者で、美容意識の高い20代女性はこんな意見でした。
「リンスインシャンプーは、手軽に『洗浄と保湿ができる』商品ですが、髪を気にする女性にとって、シャンプーは『しっかり洗いたい』、リンスは『しっかり保湿したい』もの。私が使ったリンスインシャンプーには、この『しっかり』感がありませんでした」
特に保湿の物足りなさを感じたようです。こんな例も挙げて説明してくれました。
「最近、メーク市場でも『洗顔のいらないクレンジング商品(化粧落とし)』が人気ですが、私の場合、きちんと洗わないと気持ち悪く、結局、2度洗いしてしまいます。個人的にリンスインシャンプーを使わないのは、この消費者心理に通じるように思います」