「いじめが増えたわけではなく、保護者の意識が変化した」

さて、いじめ問題は刑法上、殴られた場合には暴行罪、それによって怪我が残った際には傷害罪が適用される。また、金品を巻きあげる行為は恐喝罪だ。悪質な無視などによって精神的苦痛を受け疾病に罹患した場合も、「傷害罪が適用される可能性がある」という。

加害者を刑事罰に問いたい場合は「被害届を提出するか、告訴するかの二択」だ。

ただ、学校内で起こることに警察は介入しにくい側面もあり、告訴は受理される可能性が低い。

公立の小・中学校には、他の児童を守るために問題のある児童の登校を禁止する「出席停止」もあるが、教育委員会が決定を下す措置のため、弁護士を通じて訴えたところで認められるとは限らない。

内容証明、それでも止まらないのであれば民事裁判が現実的な手段といえるだろう。

山上氏の肌感覚では、2018年の大学スポーツ騒動以来、いじめに関する相談は約2倍に増加。「いじめが増えたわけではなく、保護者の意識が変化した結果ではないか」。

学校や教育委員会が対応してくれればよいが、そうでないケースも多い。「なるべく早く弁護士に相談してください」と語る。

○:SNSの画面を撮影しておく
×:証拠がなくても警察に捜査を求める

山上祥吾
東京弁護士会所属
1998年慶應義塾大学経済学部卒業。2009年山上国際法律事務所設立。日本弁護士連合会 国際交流委員会委員も務める。
 
(写真=iStock.com)
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