「アメトーーク」の観覧に、詐欺グループ主犯格を招待と発言
多くの人気芸人を抱える吉本興業の“威光”におそれをなし、テレビ局は沈黙したままかと思っていたら、テレビ朝日が吉本に対して、所属タレントのコンプライアンス遵守の徹底を求めていたことがわかった。
それは、宮迫がMCを務めるバラエティー「アメトーーク」の観覧に、詐欺グループ主犯格夫婦を招待する発言をしていたと報じられたため、テレビ朝日はそうした事実の有無を調査したそうだ。
デイリースポーツonlineによると、テレ朝は「社内で調べたところ事実は確認できませんでした」として、以下のように説明しているという。
「調査を踏まえて、『現時点では放送予定には変更はありません』と説明。『しかしながら、事務所を通さずに接触したことによって、逮捕される前だったとはいえ、振り込め詐欺や反社会的勢力の人物がいたとの指摘がある事業集団との関係を疑われる報道があったことは、誠に遺憾に思います』と一連の騒動に対して言及。続けて、『当社といたしましては所属事務所に対し、改めて所属タレントのコンプライアンス遵守の徹底を求めています』と透明性を求めていることを明かした」(デイリースポーツonline6月14日付)
横山やすし、中田カウス、島田紳助……
これまでも吉本所属の芸人が暴力団と関わった数々の不祥事を起こしている。主だったものを挙げてみよう。
天才漫才師・横山やすしは何度も暴力事件を起こし、ヤクザとのつながりも噂された。
2009年には、山口組・渡辺芳則五代目組長と親しいといわれていた、ベテラン漫才師の中田カウスが、吉本興業の劇場「なんばグランド花月」から、キタのなじみの店に向かう途中、男に殴りつけられる事件が起きた。
この事件についてはノンフィクション・ライターの西岡研介の『襲撃 中田カウスの1000日戦争』(朝日新聞出版)が詳しいが、いち漫才師が反社の力をバックに、吉本を乗っ取ろうとしているという批判が、吉本内部から上がった。
そして2011年8月、売れっ子タレントの島田紳助が暴力団と親密交際していることが明らかになって、紳助は芸能界を引退した。
今回の「闇営業問題」がどういう決着を見るのかわからないが、吉本に限らず、芸人や役者とヤクザとのつながりは、美空ひばりと田岡組長の関係を持ち出すまでもなく、古くて深い。鶴田浩二、高倉健、勝新太郎や歌手の北島三郎、細川たかしなど、ヤクザと関わりがあった俳優や歌手は枚挙にいとまがない。